National Geographic Magazine
as No.1 of the World

滋賀県近江八幡市を拠点に、滋賀、そして京都・名古屋・三重・岐阜・大阪・神戸・東京・仙台………、全国どこへでも出張ロケーション撮影いたしまする。近江商人の家族写真家ハマノジョウスケです。

今回は前回まで「写真はなぜ高いのか?」の続き。

その1「写真って高い! ホントに?(1)」

その2「写真って高い! ホントに?(2)」

その3「写真って高い! ホントに?(3)」

余談「家族写真家が【風景写真】にハマったわけ」

というより、ある意味、ここから先が本題かもしれません。今日から、なぜ日本人は写真にお金を払わないのか? に光をあててみたいと思いますが、今回はある世界的な雑誌をまずご紹介しましょう………

National Geographicの
価値を理解できない大多数の日本人

そもそも、写真文化として適切なフィーを払う、とか、写真家を尊敬する、とか、権利関係に「比較的」しっかりしているのが欧米。とはいえ、実態として海外でも田舎となると、日本と大差ないみたいですけど…。

その最たる象徴ともいうべきメディアが、アメリカの”National Geographic”です。CSチャンネルもありますから、多くの日本人も名前ぐらいは聞いたことがあるでしょう。実際に雑誌などを買ったことがある人は、相応の知識人だと思います。

“National Geographic”(ナショナルジオグラフィック)といえば、写真の世界に限らず、泣く子も黙る、世界に名だたるメディアです。全然違うけど、強いてクルマに喩えるなら、メルセデス、みたいな。日本人も知っている方は多いと思いますが、ほとんどまったくその価値を理解されていない方が多いと思います。

世界中の人々は「日本人以外」(←これ、アメリカンジョークのテッパンです 笑)、この雑誌で写真が取り上げられる=ものすごいステータスと、誰もが知っています。

だって私、ほんのちょっと知りあった程度の海外の人に辿々しい英語で「今度、ナショジオのフォトコンテストに写真を応募するんだ」と言っただけで「ホント? すげえ!! 頑張ってね!!」と励まされるんですよ(笑) まして、その表紙を飾るとなると、日本で喩えるなら、Yahoo!ニュースのトップに丸1ヶ月ぐらい掲載され続けるぐらいのインパクトです(笑)

では、なぜ、海外の人たちは「ナショナルジオグラフィック」にそれほどのリスペクトを抱くのでしょうか?

National Geographicはアメリカの文化的象徴、
そして「地球の記録写真」の代名詞なのです

“National Geographic”を日本語で直訳すると「全国の地理学」。

???

正確には、意訳に近い表現になりますが「地球上のあらゆる出来事の記録誌」だろうと思います。歴史の浅いアメリカだからこそ誕生した、地球上のあらゆる出来事を研究し、記録していこうという野心的な試み。それが「ナショナルジオグラフィック誌」です。

もともと、ナショナルジオグラフィックは1888年に誕生したマガジンのひとつで、世界でもっとも長く刊行されている雑誌。地球上の様々なところに探検者(エクスプローラー)を派遣し、写真と記事をまとめてくる、というスタイルです。2015年、21世紀フォックス社の傘下に入ってしまいましたが、それまでは非営利法人によって誇り高い運営が為されてきました。

なかでも特に写真に対するこだわりがものすごくて、常に時代の最先端となるフォトジャーナリズムを体現してきました。フィルム時代から何万枚もの写真からたった数枚しか選ばれないなど、とにかく世界中の写真家にとっての狭き門です。全然レベルは違うけど、日本のスポーツ雑誌Numberに写真が掲載されたらスポーツカメラマンとしては一人前、みたいな感覚に近いです。

ナショジオはアメリカの非営利組織が120年以上にわたって「地球上の出来事を自分ごととして捉え、それらを探索・研究し、記録、発表し続ける」という崇高なミッションを遂行し続けてきたからこそ、世界中の人々から尊敬され、愛されています。

果たして、そのようなメディアが果たして世界中に幾つあるでしょうか? ありませんよね。

歴史的には、アメリカなんて所詮、イギリスから逃げてきたピューリタンが先住民を殺戮し、追い出し、自分たちの国家をつくった連中という身も蓋もない見方もありますし、世界の警察とまで揶揄された超巨大軍事大国アメリカのことを気に入らない人も多いでしょうが、しかし、アメリカ合衆国は、民族に依らない国民国家をつくる、という意味においては、世界でもっとも勇敢な、特筆すべきチャレンジのひとつだし、“United States”という存在自体が発明そのもので、アメリカ人の誇りなんですね。

だからこそ、彼らは世界のリーダーであることを様々な形で示そうとしてきました。ナショナルジオグラフィック誌もまさに、同じような志のもとに打ち立てられた唯一無二のメディアなのです。だからこそ、世界中の知識階級の人たちが尊敬し、愛読し、さらにそこで取り上げられた写真と写真家には、最大限のリスペクトを払います。

そして、世界中の研究者、探求者、さらには写真家がナショナルジオグラフィック誌の狭き門にチャレンジをし続けますし、ナショナルジオグラフィック誌でフィーチャーされることは、なにものにも換えがたい名誉なことなんです。

このようなメディアが世界中のどこにあるでしょうか?

だから、ちょっと知りあったぐらいの海外の人が私に「ナショジオのフォトコンテストに応募するなんて、すごく勇気があることだ! 頑張ってね!」と励ましてくれるのです。

そして、欧米人と日本人の決定的な違い。それこそが、日本人が写真にお金を払わない、致命的なところです。

そのことはまた次回に記します。