近江八幡市を拠点とする家族写真家ハマノジョウスケです。あらかじめお伝えしておきますが、冒頭の写真、被写体のお子様は超がつくほどご満悦です。

さて、家族写真を撮っていて、ちょうど3〜4歳以上のお子様でよくあるのが「つくり笑い」。子どもに限らず、オトナでもありますね。結婚式で笑うのが苦手なカップルのつくり笑顔とか…。

正直な話、私は撮っていて心が痛みます。撮影時間以前の準備期間が十分にあれば、じっくりと誤解をときほぐしてあげられるのに…、とか、もうちょっと撮影される経験を増やせばもっとリラックスして写真に写れるのに…、と、思いながら、御注文いただいた撮影時間の都合上、制限時間が来てハイ終わり、ということも正直、よくあります。

そして、撮影後の現像処理でモヤモヤが爆発!! ストレス倍増!! 結果、納品が遅くなる………(←ただの言い訳? でも正直、あながち嘘でもありません)

おそらく、ですが。写真を撮るときに大人たちから「笑って!!」と強要されたんじゃないかなあ…。個人的な仮説としては、そのように思っています。

そして先日、撮影後のフィードバックを頂戴するために、あるお客様(お父様)とSkypeでミーティングしていました。地味にわたくし、既存の写真館や撮影会社のように撮りっぱなしで終わりではなく、直接、ご意見やご感想を伺うようにも心掛けています。

そこで私が、以下のような仮説をお伝えしたところ、「………たしかに!!」と目からウロコが落ちたようです。

「つくり笑いって、ふるーい昔の写真館とフィルムカメラの時代の弊害なんですよ…」
「今の30代後半以上の大人たちが子どもの頃って、写真はフィルムだったし、カメラもめちゃくちゃ性能が低かったので、撮影するのに大きなストロボが必要だったり、撮ってすぐに仕上がりは確認できないわ、目つぶり防止で無理矢理、笑わされてたんですよね」
「けど、今はデジタルカメラだから、撮ってすぐに画像が確認できるし、目つむりなんて撮り直せば済む話なんです」
「結婚式みたいに時間に追われているとそうもいきませんけど、家族写真のスナップ撮影だと結婚式みたいに時間に追われることはないわけですし、目つむりがあればすぐにプレビューで気づきますし、現像しないと結果が出てこないフィルム時代の昔と違って、そんなに深刻な問題じゃないんですよ」
「それよりも、いまだに保育園とか幼稚園とかご家庭で、子どもたちが無理矢理笑わされているのって、『昔そうだったから』っていう、すごく理不尽な話なんですよね〜」

親御様も「ホントですね!! そうですね!! なんで気づかなかったんだろう…」というようなリアクション。…それが普通だと思います。

ひとつ補足すると、集合写真のときに、つくり笑いを強要される、というのはやむを得ない部分があります。そもそも、大人たちですら、たった数名の集合写真で目つむりが普通に発生しますからね(笑)

何十人もの集合写真で目線をもらって、なおかつ笑顔というのは、皆さんが思うより相当ハードル高いです。ましてや、大人の思い通りに動いてくれない子ども相手ともなると………。

「Photoshopで合成すりゃいいじゃん?」と思う人がいたら、それも甘い。目が開いていても、きょろきょろと顔の角度とか変わってて、そう簡単に合成できないことがあるんですよ…。結婚式の親族集合写真の値段が高いのは、こういうところにも理由があります…。

話が少し逸れました。

家族写真の撮影に限らず、いまは技術的にも精神的にも改善されていて、本来ならもっと良くなっていて当然のものが、「昔からそうだから」という意味不明な理由で過去の習慣を引きずって結果、クオリティが低くなることって、写真に限らず、多々ありますね。

作り笑いで一番嬉しくないのって、被写体の人たちなのに、率先してその被写体の人たちが作り笑いをしてしまうわけです。撮影する側として、その「凝り」をほぐしたいなあと思うんですが、実際には、撮影を何度も経験してもらったり、あらかじめコミュニケーションをとって誤解を解いていくしかないんです。それに、笑顔だからそれで良い、というのも安直な考えでして。

やっぱり、笑顔にどこまで心が籠もっているか、というのは大事に考えたいですね。笑顔にさせる技術というのは撮影側の理論として実際にいろいろあるんですが、そういう小手先のテクニックで終わらせたくないです。

世の中から、撮影時の「笑って!!」っていう強要を撲滅したいです。本当に満足していたり、嬉しかったら、自然と笑顔をもらえるんですよね。冒頭の写真みたいに。