ポートレイトと家族写真

誤解を怖れずにいうと、ウエディングにせよ、家族写真にせよ、僕は基本的に撮影させていただく方々が「もしかしたら明日、亡くなるかも知れない」と思って、撮影している。

いつからそんなふうに考えているの?と言われると正直答えづらいが、プロのフォトグラファーになると決めたときからずっとそのように考えている。

一方で、もしかしたら亡くなるかもしれない、という方をソロカットで撮ることは非常にためらわれる。あからさまに「遺影写真」と思われてしまうような撮影で、いい表情が撮れるはずもない。

僕は、毎年、全員揃っての家族写真を撮ることが当たり前の世の中になるといいな、と思っている。正直、結婚する前にフォトグラファーを誰にするか決めることよりも、そっちのほうがよほど大切だと考えている。一生つきあえる人なんて夫婦でもあやしい世の中なのに、カメラマンごときがそんな存在になるのはなかなか厳しい。その人にとっていい写真が残れば、カメラマンなんて誰でもいいのだ。

さておき、残酷だが、ひとはいつ死ぬかわからない。だが、それに備えることはできる。毎年記念の写真を撮り続けることで、「遺影、どれにしよう?! これもいいね、あれもいいね、いっそ全部飾っちゃうか? ………」という状況が理想なんじゃないかと思っている。

結論は特にないけど、そういうことを考えております。