仙台空港にて

会社を辞めてでもボランティアに行こうと上司に相談したら、「会社として社員をボランティアに派遣する計画があるので、ちょっと待ってくれ」「ただ、現地でボランティアをやろうにも手がかりがまったくなくて困っている」との返答。

そこで「大学時代その他諸々の知人友人がすでに現地入りしていて、情報はいろいろ入ってくるから、自分がそのリーダーに立候補します」と告げると、トントン拍子に現地視察メンバーに抜擢された。

震災当日から3ヶ月が経っているのに、着陸直前に見えた海岸線は津波の惨たらしい爪痕。これが千葉から岩手までをおそったかと思うとぞっとする。自然の恐ろしさを初めて実感した。

だが、滑走路の脇には津波などなかったかのようにいつもと変わらず花が咲いていた。これが、生命力だ。

311当初に報道されていた様子はあまり感じられない滑走路。到着した人たちを迎え入れる空港はほとんど閉鎖されている。タラップも使えない。

だが、綺麗に整えられ、大勢の励ましが所々に大きく壁を狭しと張り出されている。スタッフの笑顔ときびきびとしたサービス。これが人間の力だ。