仕事とは、愛のかたち

労働、それは目に見えるようになった愛。愛なしで、ただ嫌気だけで働くなら、むしろ働くのをやめて神殿の門のわきに坐り、喜びをもって働く者に施しを乞いなさい。
なぜなら、心を込めずにパンを焼けば、出来上がるのは苦いパン。それはひとの飢えを半分しか満たしません。
いやいやながら葡萄を搾れば、その吝嗇(※引用者註:りんしょく。極度に物惜しみすること。けち)が葡萄酒に毒を盛ります。
たとえ天使のように歌っても、歌うことを愛せないなら、かえってその歌で耳をふさぎ、ささやきかけてくる朝と夕べの声をせきとめてしまうのです。

カリール・ジブラン著『預言者』より