近江商人

近江商人の理念/小倉榮一郎著
小倉榮一郎著『近江商人の理念』

東北から撤退したのはやむを得ない家族の事情も大きかったが、自分自身の(特に営業面での)実力不足も痛感。前職では正直、会社員としてそれなりに実力を発揮して営業成績も決して悪くはなかったが、地縁・血縁まったくのゼロから市場を開拓するのは異次元の難易度だった………。

小学校の社会の授業とかでいろいろ習った気がするけど、ここは一から出直しを兼ねてもう一度しっかり勉強してみようと図書館へ行き、片っ端から近江商人関連の本を借りてきて、衝撃……………………。

ちなみに、多くの方が誤解していると思いますが、滋賀県(近江国)内の商人を近江商人というのではありません。近江国内での商売人を「地商い」といって区別しないといけません。

近江商人とは、近江国を本店としつつ国外へと進出し、進出先で根づいて新たな商家を築き上げた勇敢かつ超優秀な商売人のことをいいます。

あともうひとつ余談として、近江商人の祖と呼ばれる人たちは「三方良し」なんて微塵も言ってません。そんなに単純な話ではないのです。後世の誰かが(ある意味では)非常に雑に成功哲学をまとめてしまった弊害もあると思います。

それから、東北との縁の深さとか、いやむしろ日本の経済発展は江戸時代以来、近江商人によるところが大きい、とか、あと、自分もなんだかんだ近江商人の影響とか薫陶を受けて育っている………?! とか、いろんな記憶が蘇ってきました。

個人的にも、いまの日本にとっても、いろんなヒントがありそうです。